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このニューノーマルの時代において、業務環境が再構築に直面し、必然的に分散化が迫られていることから、コントロールルームのオペレーションは、安全のための手順全体を効果的に進めることが必要になってきています。マンパワー不足の課題が解消されない一方で、リアルタイムの監視と動的な連携から得た情報を、セキュアで正確な方法を用いて、なおかつタイムリーに報告するといった一連の業務を管理することは、これまで以上にミッションクリティカルになっています。
高性能なIP-KVMトランスミッターKX9970Tは、レシーバーKX9970Rに接続されたDisplayPort KVMコンソールから、イントラネットや専用ネットワークを通じて、DisplayPortコンピューターに接続し、遠隔からでも、セキュアで、中断されないコンピューターへのアクセスを実現します。レシーバーのコンソールを標準IPネットワーク内のトランスミッターとは別の場所に設置すると、ミッションクリティカルなオペレーションルームの操作は、環境に悪影響を及ぼすことなく、人間工学的、ユーザー中心、およびタスク指向になります。
従来機種を強化したエクステンダーKX9970は、最大10Gbpsの光ファイバーネットワーク接続、優れた5K対応A/Vパフォーマンス、周辺機器の高速データ共有をはじめ、その他多くの新機能をサポートしています。このIPマトリックスシステムソリューションは、柔軟性に優れた延長接続、ビジュアル・コラボレーション、システム制御の機能を組み込んで設計されており、IP-KVMのアジリティを活用してオペレーターの生産性を向上させるために、コントロールルームのワークフローを合理化することを目的としています。
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12ビットDeep ColorによるネイティブDisplayPort信号処理
情報を視覚化する本質は、映像の色づけの鮮やかさを提示することにあります(例:放送、ポストプロダクション、気象解析など)。8/10/12ビット色深度のネイティブDisplayPort信号処理を搭載したKX9970は、Adobe RGB/sRBG/YCbCr/YUVカラースペースを含む幅広いカラースペクトルにより、IPデータ伝送によるリアルタイムKVM経由でロスレスビデオ圧縮を容易にします。
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DR10によるピクセルパーフェクトな5K A/Vパフォーマンス
KX9970は、5K@60Hz@4:4:4を提供することで、コントロールルームにおけるデスクトップ・オペレーションを改善します。グラフィックカードのディザリング効果とHDR10を使用することで、KX9970はより滑らかな画像レンダリングによって幅広い明るさを提供し、コントロールルームの生産性を大幅に向上させるために、ユーザーエクスペリエンスに影響を与えます。
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優れたビデオFPSにより、目を見張るeスポーツ実況を簡単に実現
eSportsがブームになり、視聴者数も従来のスポーツリーグに匹敵する盛り上がりを見せている今、世界規模のゲームイベントやトーナメントを、細かい部分も取りこぼすことなく視聴者に配信できる環境が、これまで以上に重要になっています。KX9970は1920×1080@240Hz/2560×1440@144Hzをサポートしているため、放送制作者は、映像のストリーミング中に影響のあるラグや中断を感じることなく、シーン上のプレイヤーとゲームフィードのライブをシームレスに切り替えることができます。
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アイソクロナスUSB伝送を強化
USB周辺機器ポートは、周辺機器の共有(カメラ、マイク、スピーカーなど)に加えて、アイソクロナス転送通信が可能であるため、より高速なUSBデータ転送を容易にします。
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ネットワーク/電源の冗長性を備えたフェイルセーフ・システム
KX9970は、ネットワーク/電源の冗長性を提供し、中断のない操作と、あらゆる緊急時におけるシームレスな電源フェイルオーバーを維持することで、システムの信頼性を強化します。KX9970エクステンダーにはSFPモジュールが2か所、RJ-45ポートが1か所搭載されており、ファイバーと銅線のネットワーク接続が可能です。これにより、リアルタイムのデータ転送と安定したシステム稼働時間が保証されます。
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リモートコンソールの効率性を最大限に引き出すパネルアレイ™モード
マトリックスマネジャーCCKMと併用すると、KX9970レシーバーに接続された各リモートコンソールのオペレーターは、ATENのパネルアレイモードのメリットを享受できます。このモードでは、1画面を2×2〜6×6に分割したマルチビューレイアウトで、複数のトランスミッターから出力されたビデオソースを同時に表示することができます。
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KVM信号をネットワーク経由で簡単に延長
KX9970は、コントロールルーム管理業務において状況確認をリアルタイムで迅速に行えるよう、KVM信号を、距離の制約なく、安全かつ低レイテンシーで延長できる環境を実現します。延長されたデータは、ネットワーク上で伝送する前にAES 256ビット暗号化で保護し、レシーバー側で暗号化を解除して処理されます。
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緊急時のローカル優先機能
KX9970Tには、IP-KVMアクセスコントロールボックス(2XRT-0015G)接続用のPS/2ポートが搭載されています。このコントロールボックスと併用することで、緊急時にリモート側のレシーバーの接続をすべて停止して、技術者が現地機でのトラブルシューティングや必要なメンテナンスをタイムリーに行うことができます。
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ビデオウォールを使った連携でチームワークの効率性を強化
KX9970は、ビデオウォールで統合すると、ATENの特許取得済みのマルチスクリーンコントロールを活用することができます。この機能により、オペレーターは、マウスカーソルを画面上で動かして、直感的に1台のコンピューターから別のコンピューターに切替制御できるため、重要度の高いインシデントに対応することができます。さらに、ワークステーションとビデオウォールの間で必要に応じて、迅速な連携、共有、およびトラブルシューティングが行えるよう、すべての画面コンテンツを「プッシュ」および「プル」することができます。こうすることで、コントロールルームワークフローを合理化し、情報に基づく意思決定の効果を最大限に発揮することができます。
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未来のコントロールルームを見据えたIP-KVMマトリックスシステム
KX9970の配置は柔軟に拡張可能で、1対1、1対多、多対1、多対多で構成し、多数の業務用システムに適用できます。このIP-KVMマトリックスシステムを使用すると、すべてのエクステンダー接続をCCKM(マトリックスマネジャーソフトウェアのWeb GUIまたはiPadアプリ)経由で簡単かつ一元的に管理できます。
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利用シーン
KX9970は、放送業界のNOC、航空管制塔、生産ラインの監視など、セキュアで迅速な切替え、リアルタイム監視、および人間工学に基づくデスクトップ操作が要求されるミッションクリティカルなコントロールルーム・アプリケーションに最適です。また、プロのゲーム環境にも理想的なソリューションを提供します。
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特長
高度な機能※1
- 色深度8/10/12ビットのネイティブDP信号処理
- HDR 10およびAdobe RGB対応
- USBアイソクロナス転送対応
- マルチスクリーンコントロール - マウスカーソルをターゲットコンピューターのディスプレイ間で移動させるだけで別のレシーバーへの切替操作が可能
- 「プッシュ」 & 「プル」 - クリック1つで1台のRxまたはビデオウォールに対してコンテンツを簡単に共有
- ビデオウォール - 各レイアウトにおいて最大12×12(最大144台のディスプレイ)で複数のビデオウォールを作成
- 詳細なスケジューリング機能 - メディアの再生日時を設定することで、作業効率やコストの改善が可能
- バーチャルトランスミッター - 異なるトランスミッターから出力されたビデオ、オーディオ、USB、シリアルの各ソースを個別にストリーミング
- 内部および外部認証に対応 - LDAP、Active Directory、RADIUS、TACACS+をサポート
- ユーザー認証の詳細設定 - アドミニストレーターは、ユーザー間における連携の強化や競合の回避のために、Txデバイスで最大4つのアクセスモードを設定可能
- ユーザーおよびグループに対してKXデバイスのアクセスおよび操作の権限を設定可能
- 最大4台のKXトランスミッターの映像をグループ化することで、マルチディスプレイ環境の構築が可能
- Rxアクセス制御 - Txのローカルコンソール側で操作するユーザーは、制御ボタン※2を押すだけでRx制御権限を有効/無効に変更可能
注意:
1. これらの高度な機能は、KXトランスミッターがKXレシーバーとペアリングされ、CCKMによって管理されている場合にサポートされます。
2. 制御ボタン(2XRT-0015G)は製品パッケージに同梱されていません。お求めの際には弊社販売代理店までお問い合わせください。製品情報については、ATENの販売店にお問い合わせください。
ハードウェア
- DisplayPortビデオ解像度をサポート - 最大5120×1440@60Hz(4:4:4)、5120×2880@30Hz(4:4:4)、1920×1080@240 Hz(4:4:4)、2560×1440@144Hz(4:4:4)、36ビット色深度
- DisplayPort 1.2
- ステレオスピーカーとマイクに対応
- High speed USBストレージ転送に対応
- Auto-MDIX対応 - ケーブルの種類(ストレート/クロス)を自動判別
- 8KV/15KV ESD保護および2KVサージ保護
- 冗長電源に対応 - KX9970は冗長電源用に2か所のDCジャックを搭載
- ネットワークフェイルオーバーに対応 - ネットワークフェイルオーバー用にRJ-45を1か所、SFP+スロットを2か所搭載(ミッションクリティカルなアプリケーションの常時可用性を確保するため)
- 最大10kmの10Gbps SFP+ファイバーモジュールによる拡張に対応*
- ラックマウント対応 - マウントオプション:
- 2X-021Gデュアルラックマウントキット
- 2X-031Gシングルラックマウントキット
- 産業用グレードの電源アダプターを同梱 - 過酷な環境条件下での耐久性と適応性を保証するために、動作温度0〜50℃をサポート
* SFP+モジュール(2A-141G/2A-142G)は別売りです。製品情報については、ATENの販売店にお問い合わせください。
管理
- KEマトリックスマネジャーソフトウェア(CCKM)による統合が可能 - 直感的なWebベースのGUIによって、すべてのKXデバイスを簡単に設定できるソフトウェア
- デュアルコンソール操作 - トランスミッターとレシーバーの両方からキーボード、モニター、マウスを使ってユーザーシステムを制御可能
- OSD(オンスクリーンディスプレイ) - レシーバーのディスプレイ画面でTx/Rxデバイス両方の設定を有効に設定
- EDIDエキスパート機能搭載(エミュレーション機能)- 自動/手動で適切なEDIDモードを選択可能
- オンスクリーンプレビュー(パネルアレイモード) - 最大36台のディスプレイのビデオを1つの画面に表示可能
- ビデオ圧縮レベル - 適切なネットワーク帯域幅に調整するために、ビデオ品質を増減可能
- CLI(コマンドラインインターフェース)対応 - 管理者は、コマンドまたはサードパーティー製アプリケーションを実行することで、RS-232CまたはTelnet経由ですべてのKXデバイスを制御可能
- ホットキーコマンド対応
- RS-232Cシリアルポート - ユーザーは、TextMenu、CLI、またはタッチスクリーンやバーコードスキャナーなどのシリアルデバイスのシリアルターミナルに接続可能
- すべてのKX Tx型番は、すべてのRx型番で使用できるように互換
セキュリティ
- KXダイレクト接続用の専用LANポート - オフィスのネットワークから隔離可能
- セキュアなデータ伝送 - トランスミッターからレシーバーに送信されるすべてのデータは256ビットAESで暗号化
- 業界標準TLSプロトコル準拠
バーチャルメディア
- バーチャルメディアモード - データ伝送のパフォーマンスが向上。ファイル転送、OSのパッチ適用、ソフトウェアのインストール、診断テストに最適
- USB 2.0 DVD/CDドライブ、USB大容量ストレージデバイス、PCハードドライブ、ISOイメージに対応
- スマートカード/CACリーダー対応